宮崎民俗学会は、令和7年度に発足70周年を迎えました。初代会長 田中熊雄氏以来歴代の方々の御尽力により、本学会が継承されていることを有難く思います。
私は令和7年度から会長の役をお引き受け致しました那賀教史と申します。微力ですが会の発展のために力を尽くしたいと存じます。どうぞ宜しくお願い致します。


 さて、近年の気象異変や災害の予期せぬ事態に、人々は不安を感じ、平穏で安定した暮らしを強く願う姿がみられます。また、住み慣れた土地の状況や生活を共にしてきた人々との絆づくりにも変化がみられます。また、都会と地方をみつめるまなざしにも多様な変化があり、ふるさとの価値をどう見出すかという考え方や永住の地の選定にも影響を及ぼしています。都会から地方へと移住する人々の動きもその一つであろうと思います。

 九州南部に位置する宮崎県は、西側に山地を有し、東に海が広がり、その間の平野に西から東へと川が流れる地勢にあります。東西南北に存在する地域には、歴史と風土の上に土地特有の暮らしと文化が積み重ねられ、民俗的にも先人の経験知に裏付けられた豊かな文化が残されています。これまで集落の一つ一つに遺されたそれらの文化遺産の調査活動や記録が、県民によってなされてきた事実は他県に比して決して多いとはいえません。

 本県の恵まれた自然とそこに生きてきた人々の暮らしや精神遺産をどう調査し、記録として残すかという課題を、会員の声から深く感じ取ることが出来ます。

会員自身の居住する地からとらえた課題、県内外の会員が研究対象とする課題をみつめ、情報を共有しながらお互いがつながっていく必要を感じます。

 深く研究をされている内外の方々との情報交換や研究交流も話題に上がってきています。会員一人一人が、自身の興味ある対象を持ち、情報を得て調査活動を組んだり、交流の場を持つなどしてお互いが高まりあい、楽しみながら一歩ずつ進んでいく民俗学会であることを願っています。

                           宮崎民俗学会
                            会長 那賀教史